政治、経済
政治
ルーマニアは2007年1月に隣国ブルガリアと一緒にEU加盟を果たし、EU27ヵ国の一つに名を連ねました。政治は、国民から直接選挙で選ばれる大統領を国家元首とする共和制国家であり、議会から選出される首相が行政を行う半大統領制を採用しています。議会は任期4年の二院制です。現在の大統領は2014年11月に行われた選挙の結果、PNL(国民自由党)の中道右派クラウス・ヨハニスに、首相は中道左派のヴィクトル・ポンタとなっています。大統領の任期は2~5年で、直接選挙による一般投票で選ばれます。大統領は外交に携わり、軍の司令官の役割を果たします。憲法上、議会と大統領はほとんど対等の権限を持っているため、両者が対立した場合、国政を行き詰まらせてしまう。
経済
何世紀もの間、ルーマニア経済は農業に基づいていました。1930年代には「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほど、小麦、トウモロコシ、肉の生産地として有名でした。1950年代にルーマニアの共産主義指導者、ゲオルゲ・ゲオルギューデジは、重工業の開発に着手しました。1970年代から本格的に重工業へと産業は移行していくものの、農業は依然として経済的に重要であり、労働力の約3分の1を占めていました。現在も、トウモロコシ、小麦、植物油種子、野菜、リンゴやワインのためのブドウや、豚、羊などの家畜はルーマニアが力を入れている輸出品です。そして、観光業はルーマニア経済にとって非常に重要です。美しい自然と歴史的な建築物、工芸品業界は大切なルーマニアの財源になっています。GDPも急成長を遂げています。というのも、ルーマニアはEUのなかで人件費が最も低い国の一つであるからです。これは、主に海外の顧客に供給を行う自動車製造部門と農業部門において、国内生産能力を上げる要因となっています。