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処刑の森 レビュー

処刑の森

第一次世界大戦下、オーストリア=ハンガリー帝国軍士官アポストル・ボロガは、所属部隊がトランシルヴァニアのルーマニア戦線へ転戦することでルーマニア人同胞と戦わなければならない。 逃亡を決意するが脱走兵を待つのは…。

これは1922年に発表されたルーマニア文学の作品である。 ルーマニア文学に触れるのは本作が初めてであったが、一旦作品世界に入ると実に読ませる作品であり面白い。 作者のリビウ・レブリャーヌは1885年生まれで1944年没なので、大体我々の100年前の世代の人と云うことに成るであろう。

第一次大戦が舞台で、当時のオーストリア=ハンガリー帝国(いわゆるハプスブルグ帝国)の兵士である一ルーマニア人将校の心の葛藤を描いた作品である。 オーストリア・ハンガリー帝国は今の東欧全部だったと言って良いほどの大帝国だったので非常に多くの帝国内少数民族を持っていたわけだが、ルーマニアが対オーストリア・ハンガリー帝国の立場で参戦したため、帝国内のルーマニア人は自分の民族に対して銃を向けるジレンマに陥ってしまうわけだ。 ルーマニア人以外のチェコ人などのスラブ系の人達も、自分達と近い民族であるロシアに対して戦うことへのジレンマを感じていたわけである。 この辺りは、歴史が分かってくるとそのジレンマの大変さやオーストリア=ハンガリー帝国への憎しみの深さが理解出来るが、背景が分からないと何のことやらさっぱりと云うことに成るかもしれない。

民族への思いやら神に対する罪の意識などに主人公は苦しむが、こう云う物を読むと、日本の歴史が如何に単純で分かりやすいかが逆に思い知らされるような気がする。 ただ、日本の場合は、政治的歴史的現実としては極度な単一民族的島国なので、逆に血が濃すぎておかしなことに成る様な気もするのであるが。

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