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FLYING RABBIT 170号
素朴な人々の暮らしとユネスコへの登録数29ヶ所。
深い歴史を刻んだ「世界遺産大国」
深い歴史を刻んだ文化遺産や史跡がたいへん多いルーマニア。現在、ユネスコの世界遺産への登録数は二十九ヵ所。特に、中世の文化遺産には優れたものが目白押し。世界屈指の「世界遺産大国」、それがルーマニアです。
ブコヴィナ地方の「僧院めぐり」と 圧巻の「要塞教会」ビエルタン オスマン・トルコ帝国が北へ勢力を広げつつあったころ、ヨーロッパの中でも他に例を見ないユニークな僧院群が北部のブコヴィナ地方に建てられました。スチェヴィツァ僧院、モルドヴィツァ僧院、ヴォロネッツ僧院などの一連の僧院です。これらの僧院は、いずれも内壁だけでなく、外壁にもフレスコ画が描かれ、建物全体がイコンのようです。
これらの僧院群をつくったのは、モルドバ公国の最盛期を築いたシュテファン三世(在位一四五七~一五〇四)。そして聖堂群のなかでも最も人目を引くのが「スチェヴィツァ僧院」の壁画。個々の人物をクローズアップして描いていることと、もう一つ、「ヴォロネッツの青」と呼ばれる色が使われていることで有名です。このラピスラズリのような、鮮やかな青い色が何でできた色なのか、今も謎のままです。
弊社のツアー『ドナウデルタと世界遺産の僧院群 ルーマニアー周』は、僧院巡りの基点となるスチャバに二連泊して、たっぷり時間をかけて各僧院を廻ります。
同じころ、トランシルヴァニア地方の都市ビエルタンでは、他のヨーロッパの都市と同様に町の要塞化が始まりました。十五世紀後半から町を見下ろす丘の上にあるゴシック様式の聖堂の周辺に防壁が作られました。ここに、他に類を見ない「要塞教会」が完成しました。
ビエルタンは、この防御された聖域のみならず、住居などの都市建築もきちんと保存されています。また近代の建築が要塞や町のイメージを壊すことなく、町全体が中世の雰囲気をとどめているという点で文句なしの世界遺産といえる街です。
素朴な田舎体験 地の果てマラムレシュ ー方、人々の生活のなかに中世の面影を見ることができるのは、東欧のそのまた東、ヨーロッパ人が「辺境」、「地の果て」と呼ぶマラムレシュ地方です。なかでもユニークな村がサプンツァ村。ここには故人の生前の生活かひと目で分かる彫刻が施されたカラフルな墓「陽気な墓」があります。今では人気の観光スポットの一つになりました。弊社の前記のツアーでは、マラムレシュ地方の中心都市バイア・マレに一泊し、サプンツァ村を訪れます。
ルーマニアのグルメ 雰囲気まで召し上がれ
このほかルーマニアで楽しんでいただきたいのがグルメ。
ルーマニアの謎めく吸血鬼「ドラキュラ」伝説の舞台となったのが古都シギショアラ。そのモデルとなったヴラド・ツエペシュの生家は改装されてレストラン「ヴラド・ドラクル」になっています。また中世の街並みを色濃く残すトランシルヴァニアの古都ブラショフ。「民族音楽を鑑賞しながらの郷上料理」は、ルーマニアの夜をいっそう盛り上げてくれます。
そして、最後は首都ブカレストのカジノ・レストラン「カサ・ヴォルネスク」の夕食。贅を尽くした内装が見事なそのレストランでの最後の晩餐は、ルーマニアの旅をさらに忘れられないものにしてくれることでしょう。
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