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フレスコ画への招待
フレスコ【frescoイタリア】
(「生乾きの」の意) 西洋の壁画に用いる技法。(中略)また、その壁画(フレスコ画)。 アフレスコ。
石灰の基層に絵を描くという視点で捉えれば、フレスコの仲間はイタリアだけでなく,アジア・日本を含めてユーラシアに広く見ることができる。
ルーマニアの東北部には不思議なフレスコ画を外壁に持つ教会群がある。 450年もの間、風雨に曝されて未だに存在する強靭なフレスコである。
壁画を尋ねる私の旅の中で,豊かなフレスコの世界に目を開かせてくれたのがルーマニアのこの技法であった。
ここのフレスコの石灰下地には麻の繊維(スサ)が使われている。
高松塚の石室内にも紙スサの入った漆喰が使われていた。
石灰にスサを混ぜる東洋的方法は、ルーマニア中央部にそそり立つトランシルヴァニア・カルパティア山脈の東側に広がり、山脈を越えた西側では石灰に砂を混ぜて使う西洋的方法が見られる。
ルーマニアは西洋と東洋の文化が交わる場所なのである。
大野 彩
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