トランシルバニア地方
トランシルバニア地方はカルパチア山脈で囲まれ、ルーマニア中部に位置しています。ラテン語で「森の彼方の国」という意味です。
歴史と文化
サルミゼゲトゥサでは、世界遺産に登録されているダキア人の要塞跡で紀元前1世紀頃のルーマニア先住民ダキア人の息づかいを感じることができます。やがてローマ帝国に侵略され、ローマ人の国、ルーマニアとなりました。
ローマ帝国が崩壊した後、ハンガリー王国、オスマン帝国、オーストリア帝国の一部となったために、多様な民族、宗教生活が形成されました。民族衣装、食生活、音楽、地域のお祭りにこのような伝統が見られます。
また、建物も、ローマ様式、ゴシック様式、ネオゴシック様式、ルネッサンス様式、バロック様式、ロココ調と入り交じっています。
13世紀頃にドイツ系の入植者によって築かれた要塞聖堂のある村落群(ビエルタン、クリニク、ドゥルジウ、プレジュメル、サスキズ、ヴァレアヴィイロル、ヴィスクリ村)は世界遺産に登録されています。
まるでヨーロッパ中世の物語の中に迷い込んだかのような街並みが現存している都市もあります。世界遺産にも登録されている14世紀の時計塔、山上教会と教会へ続く屋根のついた歩道が美しい、ルーマニアの宝石と称えられるシギショアラ、古いサクソン建築と城跡が特徴的なブラショフ、石畳とパステルカラーの家々が美しいルーマニア最古のブルケンタール国立博物館があるシビウです。アンティークや地元の職人やアーティストの作品をショッピングすることもできます。
またドラキュラのモデルとなった15世紀に実在したワラキア公国のブラド・ツェペシュ公のブラン城も公開されています。
トランシルバニア最大の名城、フネドアラ城は15世紀に建てられたゴシック様式の美しい城です。
その他観光地 名所
シナイア
「カルパチアの真珠」とも呼ばれ、夏は避暑地、冬はスキーリゾート地として多くの観光客が訪れる。18世紀にはブカレストの王侯貴族の別荘地として繁栄したため、宮殿風の建物が点在しています。
シナイア僧院
シナイアの名前の由来になったといわれている僧院で、17世紀にワラキア公カンタクジノがこの地を訪れたのを記念して建立された。門から正面に見えるのはカロル1世が建てた大教会で4つの塔をもつ建物です。中は一面赤を基調としたフレスコ画で覆われています。
左側の門をくぐったところにある古い教会は基本的に当時のまま保存されており、入り口に描かれたフレスコ画は必見です。
ペレシュ城
1875年にカロル1世がルーマニア王室の夏の離宮として8年をかけて建て、カロル1世と妻エリザベータの夏の別荘でした。ルネッサンス、バロック、ロココ様式を取り入れた壮麗な城で、庭園には数多くの彫刻と噴水が配置されています。宮殿内には160ほどの部屋があり、カロル1世の集めた回が、美術品、陶磁器や中世の武器などが飾られています。彫刻や噴水のある庭園からはシナイア峡谷が一望できます。
ペリショール城
ペレシュ城と同じ敷地内にある、カロル1世が甥のフェルディナンドとその妻マリーのために建て1902年に完成した。素朴な外見とは裏腹に内部では豪華なシャンデリア、カーペットが見られます。
豊かな自然
トランシルバニアは中世の要塞で有名ですが、自然の岩が作り上げた要塞のような山脈も見ごたえがあります。
アプセニ自然公園
ルーマニアの天然記念物のヨーロッパ大陸で2番目に広大なスカリショァラ氷河や緩やかな丘、美しい森、多くの洞窟、そして滝。野生動物や手つかずの自然が残されている自然公園では、日々表情を変える森の中でハイキングを楽しむことができます。
また、冬にはスキーも楽しむことができます。
ムレシュ川自然公園
ルーマニアでしか見ることができない植物の種類も豊富な野鳥保護区として有名な自然公園。
ロドナ山脈自然公園
氷河湖や滝、岩で覆われた山々、高山植物が特徴的な自然公園。