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▲トップへマラムレシュ地方
ルーマニアの北西部、ウクライナの国境近くにマラムレシュ地方はあります。 古い伝統、長い歴史と魅力的な風景が自慢の地方です。チャウシェスク政権時代の近代化政策も、この地域までは届きませんでした。独特の民族舞踊と音楽が特徴です。マラムレシュ地方は4つの地域に区分されています。マラムレシュ、キオアルルイ、ラプシュルイ、 バヤマレです。この地方は木の国と呼ばれ、木彫りの門や教会などがよく作られています。各家庭の入口は大抵木彫りの門になっています。その形は凱旋門と似ており、木の柱には色々なパターンの模様が刻まれています。特に太陽をモチーフにした門が多いようです。
また、それだけでなく自然も素晴らしいのがマラムレシュ地方の魅力です。マラムレシュの山岳地帯は実に雄大で魅力的です。旅行者はその大自然に眼を奪われることでしょう。ロズナ山、ラプシュ山、グタイ山、マラムレシュ山などが主な山です。ヴィシェウ川とイザ川はマラムレシュ地方の主な川であり、これらは隣国ウクライナとの国境の一部になっているティサ河に流れています。
ロズナ山を源流とするイザ川はヴィシェウ川と平行しながらシゲットマルマツイェイ市の方角へ流れ、マラムレシュの真中を流れています。サリシュテアデススのような村々には祖先伝来の伝統手工芸の技術を受け継ぐ職人が、今でも陶器や木彫りなどを作っています。サチェルのような村では、羊飼いが昔ながらの仕事を続けています。4月、5月、8月と12月には農業祭が行われます。ぜひこの自然と伝統に恵まれたマラムレシュで、のんびりとしたスローライフを楽しんでみませんか。
マラムレシュ地方の観光地
マラムレシュの木造教会群
マラムレシュでは伝統的に、木にまつわる文化が盛んでした。それは昔、木の国とも呼ばれていたほどです。特に有名なのは木造教会です。世界遺産として登録されているので、ご存知の方もいるでしょう。これらの教会は、木造の教会としては世界1の高さを誇っています。数多く存在する木造教会のうち、シュルデシティ、バルサナ、イエウッドゥ、ポイエニレイゼイ、ロザヴレア、プロピシュ、デセシティ、ブデシティ、ロゴズはユネスコの世界文化遺産に認定されました。屋根は非常に高く、長く四角いとんがり帽子のようなカタチです。これらの教会すべてが木で造られており、驚いたことに建物を支える基礎の石すらありません。
このような特徴を持った教会建築を「マラムレシュ版ゴシック様式」と呼ぶ専門家もいます。一見とても質素ですが、木の柱や棟には太陽や綱などの模様の彫刻が施されています。レースのような模様が施された軒、魚の鱗のような模様に切られた木の屋根瓦など、細部に工夫が施されています。
この地にある教会群はキリスト教正教のもので、内壁には様々なイコンが現存しています。建立後200年以上経った現在でも、その信仰の歴史を継承しています。クリスマスやお正月の時期がくると、マラムレシュの村々は子供たちが一所懸命に歌っているキャロルの歌が響きます。この時期は特別な儀式や祭りが行われています。
サプンツァ陽気なお墓
北の方にあるシゲット市から12キロのところに、サプンツァ村があります。ここは、「陽気なお墓」という墓地で有名です。木の十字架に、亡くなった人の生活について短い詩や、明るい彩色が施された絵などが描かれ、他では類を見ない墓標が並んでいます。「陽気なお墓」とは不思議な名前です。その名の通り、この地には陽気な色彩で彩色された独創的な木の墓標がずらりと並んでいます。それぞれの絵柄は酒を持つ人、キッチンに立つ人、羊飼い、司祭姿の男など様々で、故人の元気な頃の暮らしぶりが分かります。絵の傍らには短い詩が刻まれ故人の生前のハイライトが要約されています。
→サプンツァ陽気なお墓(サイト内リンク)