「ドイナ」民謡
ドイナ民謡はルーマニアを通して様々な名前で知られ、即興と自発的で叙情的な、厳粛な聖歌です。
「ドイナ」という言葉の起源は不明で、同様の形式(ダイナ)は「民謡」の意味でラトビアとリトアニアで使われているので、古いインド·ヨーロッパ期である可能性があります。故に、他のどの言語でも翻訳できない言葉とされています。
1900年まで、ドイナはルーマニア唯一の音楽ジャンルでした。ドイナは屋外で、自宅で、職場でどこでも自由な歌やリズムで楽しむことができます。葉のような単純な楽器からフルート、バイオリンなど様々なタイプの楽器で演奏されます。
ドイナは喜び、悲しみ、孤独、社会的な紛争、愛などにまたがる幅広い表現力を持っています。個人の感情や演奏者の妙技がそれぞれ違うように、音楽の音色もそれぞれ違ってよいということです。中でも主に彼らが理解することはできないと考えている、人間の心理的な側面を歌うことが多く、このドイナ民謡は、重要な社会的役割を果たしています。憂鬱から「自分の魂を緩和する」という目的でまた、自然への憧れを歌うところから他の芸術ジャンル(民族舞踊)を生み出した。
しかし今日、ドイナ民謡は、非常にローカルなものになってきており、親から子への継承が危機にさらされています。ルーマニアの無形文化遺産のこの重要な伝統民謡を確実に保っていく努力が必要とされています。