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ルーマニアの自然保護地区
ドナウデルタ
ルーマニアの自然保護地域は全部で850個所。
このうち17ヶ所は特別地域指定です。
これらの地域には、保護対象の植物や動物が棲息しているため、場合によっては入場の際に、特別な許可を得なければなりません。
最大の自然保護地域は、ドナウデルタの一部です。
58万ヘクタールに及ぶ地帯は葦、沼地、池、柳の林の世界です。
そしてそこに定住している鳥と渡り鳥の楽園です。
そこを観光スポットに選んだあなたは、ドナウデルタの、壮大な自然の豊かさに圧倒されるでしょう。
山岳地帯
また、数多くの保護地域は山岳地帯にあります。
最初の自然保護地域は、1935年に指定されたレテザトゥ山でした。
北部のロドゥナ山、東部にチェアフラウ山やビカズ渓谷。
ドブロジェア地方のマチヌルイ山。
南西部、ドナウ河沿いのアイロンゲーツ。
中部のピアトラクラユルイなどが、主だった保護地域です。
ブカレスト近郊
ブカレストからアクセスしやすく、ルーマニア人がよく遊びに行くのはブチェジ山です。
ブチェジ山も、自然保護を受けている様々な花や草類があります。
ここには、「スフィンクス」と「バベレ」という、自然が造った人間の形の岩があり、ケーブルカーでしか行けないのですが、これらも観光名所です。
この辺りの植物の中には保護指定の品種もあります。
動植物
ルーマニアの花のシーズンは6月下旬。
他のヨーロッパの国では、とっくの昔に絶滅したオオヤマネコなどの動物はいまだにルーマニア山中で生息しており、これらの野生動物は、保護動物に指定されています。
さらにクマ、クロヤギなど、ヨーロッパの希少動物が生きています。
鍾乳洞
ルーマニアには鍾乳洞が 12,000以上もあります。
最も長いのは、パドゥレアクラユルイ山にあるペシュテラ・ヴァンツルイという洞窟で、その長さ43,800mもあります。
一番深い洞窟は、ピアトラクラユルイ山にあり、その深さは520m。
カルパチア山脈のビホル連山、アプセニ連山、バナット連山、メリディオナル連山に登り、そのあちこちで、洞窟を発見しても何の不思議もありません。
その中の観光客でも見学できる指定保護地域は、スカリショアラ氷山。
パドゥレアクラユルイ山のメズィアド鍾乳洞。
ビホル山の「チェタチェポノルゥイ」という複合地質構造(鍾乳洞・氷河・地下通路など)。
カパツニイ山のペシュテラムイエリイという、鍾乳石や石筍が壮大な鍾乳洞。
マンガリア市の近くあるペシュテラ・モヴィレ鍾乳洞が挙げられます。
ブザウ県にはヴルカニイ・ノロヨシ死火山もあります。
カルパチア山脈
ルーマニア全土の1/3を占めるカルパチア山脈は、アルプス山脈とともに、ヨーロッパ大陸の背骨にあたる連峰です。
最高標高は2,550m、山脈の規模が大きくダイナミックです。そして、自然を愛する人には、たまらない魅力に溢れています。
トレッキング、ハイキング、登山をする人びとがここを大勢訪れます。
渓谷、氷河、峠、谷、死火山、紅葉など、カルパチア山脈の自然にきっと感動するはず。
ブチェジ山の山頂の、自然のスフィンクスも有名な観光スポット。
ルーマニアのほとんど川の源流は、カルパチア山脈にあり、オルトゥ川、ムレシュ川、アルジェシュ川、ソメシュ川、ジウ川などはその代表格です。
首都ブカレストの市民は、休みの日によく山に遊びに出かけます。
プラホヴァ川に沿って、山の方に登る国道をクルマで2時間ほど走ると、そこはもうブチェジ山麓のリゾート地。
山脈の森の中にはまだ、クマ、シカ、キツネ、イノシシ、オオカミなどの沢山の動物と鳥が野生しています。
花の種類もたくさんあり、そのいくつかは保護植物に指定されています。
ルーマニア人にとってカルパチア山脈は、ルーマニア国民の発祥地として特別に崇高なところです。
古代ダチア王国の首都「サルミセジェツザ」もカルパチア山中にありました。
ローマ時代、この地には早くも温泉施設が造られました。
楽しく観光できる避暑地、温泉地、スキー・リゾート、農村などが沢山あります。
シナヤ、プレセアル、ポヤナブラショフは、冬にスキーを楽しみ、夏にハイキングを楽しむオールシーズン型リゾートです。
バナット山系やアプセニ山系は、鍾乳洞などが多いところです。
標高1,000m以上の場所では、一年のうち9ヶ月間も雪が溶けないので、スキー愛好者にとってはパラダイスのようなリゾートです。
カルパチア山脈は、標高2,000m~2,400mの高原が多く、羊の牧場をあちらこちらで見かけるでしょう。
また標高1,500m以上の村に行けば、昔ながらの生活をしている村人たちの純朴な姿にきっと心を打たれることでしょう。